みだれうち6 カノジョ調教完了編【サイクロン】

シリーズを追っている人ならおなじみの「香織堕ち展開」、今回はさらに人間関係が入り乱れてきて、一気にドラマ性が増してきた印象です。もともと全国レベルのテニス部エースだった香織が、後輩の亜美の妬みによってセフレの輪に落とされてしまうところから始まった物語ですが、今巻では雄一の仕掛けによって正也と引き離され、調教が一気に加速していきます。

香織は強気なエースでありながら、心のどこかで守られたい、縋りたいという弱さを抱えている。その隙を雄一が巧妙についていく展開は、読んでいてゾクゾクする背徳感が強烈です。調教が進んでいく中で、偶然再び亜美と出会ってしまうことで形勢が崩れる、というひりつく展開も緊張感が高い。かつては部下だったはずの相手が、今では完全に立場を逆転させている構図がエグくて、物語の醍醐味をしっかり感じられます。

また、サブキャラたちもいいスパイス。正也は幼馴染としての立場から香織を支えたい一方で、思わぬ行動で状況をさらに複雑にしてしまうし、副部長だった希美が「助けたい」と動き始めるところに希望を感じさせる。ヒロインを救えるのか、それとも調教が完成してしまうのか……シリーズ続刊予定ということで、今後の行方がますます気になる展開です。

総じて、ヒロインの転落と周囲の思惑が複雑に絡み合う、背徳感とドラマ性を兼ね備えた濃厚調教ストーリー。スポーツ青春の輝きがあった分、その堕ちていく姿がいっそう際立つ、クセになるシリーズです。