淫囚村からの鬼姦 二話 久我繭莉

村の闇のなかで始まるあらすじは、緊張感と背徳感が強く混ざり合っていて、読んでて背筋がぞわっとするタイプ。
オナニーしている女とバッタリ出くわしてしまう――という予想できない瞬間の衝撃が、物語のスリルの導入としてうまく機能しています。言い訳できない状況で口を塞ぎ、そのままセックスに発展する流れは、理性よりも衝動が勝ってしまう性的な緊張感をストレートに描いています。

さらに、「心変わりさせるために3Pを仕掛ける」という展開は、単なる強姦描写に留まらず「性欲と心理操作」の要素を混ぜた複雑さを加えていて、読者に“どう動くのか”という緊迫感を与えます。女側の思惑と男の抵抗、抑えきれない欲望のぶつかり合いが、この作品の核。

画風や描写にも振り切りがあって、匂い・肌の触感・視線の動きがリアルに伝わってくる。暴力性をただの衝動で済ませず、心理戦として描くところに作者のコントロール感を感じます。

総じて、暴力と欲望、思惑が交錯する官能スリル作品。読後も頭の中でざわざわ残るタイプです。