保健室のヌシ やすみ先輩 スギウラユキ

いじめられっ子を庇ってボコられた主人公が、保健室で“ヌシ”のやすみ先輩に拾われる――この導入がまず強い。

やすみ先輩は自分の過去と重ねて主人公を肯定しつつ、「ご褒美」でスイッチを入れてくる大人びた包容系。

優しさとえっちの両輪で自尊心を回復させる流れが気持ちよく、保健室という密室シチュの背徳感もバッチリ効いている。

ご褒美が単なるサービスに終わらず、“勇気の燃料”として次の対峙へつながる構成がうまい。ヒロインの包容力と少しSっ気のバランス、傷の手当てから色っぽさへ自然に滑るテンポも心地よい。総じて、癒し→昂ぶり→リベンジが一本の線でつながる、抜け感とカタルシスを両取りできる一作。やすみ先輩、タイトル通りの“ヌシ”っぷりでした。