淫魔風紀委員 立花凛 ちゅーりっふ。

学園に淫魔（サキュバス）と人間が混在するという設定からしてエッジが効いててワクワクする。しかもその中で「風紀委員として不純異性交遊を取り締まる淫魔」がヒロインっていう逆説が強烈。凛は清く交際する理想を掲げているけど、彼氏が他の淫魔に“催淫”されてしまう展開で、彼女の信念と欲望の間が揺れる構図が生きる。

ストーリー後半で、彼氏が既に臨戦態勢になってる状態を前に、凛が「誰かに先を越されるくらいなら…」と自ら動き出すところにこそこの作品の核心があると思います。義務と本能、自尊心と愛情がぶつかり合って、エロと葛藤が表裏一体になっている。清純風ヒロインが自ら触れていく瞬間こそエモさが増すし、読者の感情をぐいと引っ張っていく。

描写も大胆で、催淫・誘惑・寝取られの要素をしっかり攻めてくるタイプ。だけど、「ただの凌辱」には終わらず、ヒロインの葛藤や戦う意志・切迫感がラストまで押し込まれてて、物語としてもちゃんと読ませる力がある。

全体として、逆説的立場のヒロインが、自分の理想と欲望に揺れながら一線を越えていく背徳系ラブストーリー。学園ファンタジーと官能をしっかり噛み合わせた快作だと思います。